えかきのこころ


by macaron-framboise
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人の心を満たす人=アーティスト

空間デザイナー・流木アーティストの大滝さんは言った

「人の心を満たす人。それがアーティストなんだ。」

目がさっぱり覚めました。





3カ月に及ぶ静岡での個展。
その1カ月目が終わろうとしている。

現在、月ごとのテーマに沿って入れ替える作品の
第一弾を飾ってあるのだけれど
展示中に、早くも大きな壁にぶち当たった。



昨年末に仕上げた1月の作品。
お正月のテーマに沿って、調べ物をしたり珍しくエスキースをしたり
お店の雰囲気に合うように・大滝さんのイメージに沿えるように・テーマから反れない様に・・

時々自由に走りそうになる筆を抑えながら、慎重に描いた。

それなりに楽しかった。
今までの自分世界の展示と違って
初めて大きな空間を依頼されて、本当に一生懸命描いたから。
何より会場が地元だから、沢山のお世話になった人を招待するのに、
なるべく完成度の高い作品をと思って、気合いも違った。


搬入時、できた作品を見て、個展をプロデュースしてくれてる大滝さんは顔色を変えた。
いつもより口数が少なくて、なんとなく、喋りかけづらかった。

1週間経った日の打ち合わせで、大滝さんは眉間にシワを寄せて

「何か違う。のぞみさんの絵じゃないみたいだ。ばらばらで、みんな別の人が描いたみたい。」
って言った。
おまけに
「これがのぞみさんなら 何か僕が勘違いしてたみたいだ。」って。


悔しかった。
一生懸命描いたから。
そしてその言葉があまりにも図星だったから、
本っ当に悔しかった。
正直そのあとの会話はあまり記憶になくて、ひたすらそのことを考えてた。


今飾ってあるのは、紛れもなく、正真正銘私の描いた作品で、
それも心をこめて丁寧に丁寧に仕上げた大切な作品。
そう、大事な作品には違いない。

だけど確かに、今までの作品と違って、どこかカッコつけた
八方美人の作品のようにも見える。
気合いが入りすぎてカラ回って、まったく、私ってカッコ悪い。
見れば見るほど作品たちに謝りたい思いだった。


その時、打ち合わせもあって、3日間自宅神奈川を離れて静岡で過ごしていたけど、
帰りたくなかった。
絵を、一切描きたくなかったから。


翌日、悶悶とした気持ちを抱えながら
知り合いの小学生の女の子(みーちゃん)に会いに浜松に行った。
みーちゃんは花鳥園に招待してくれて
そして早速
「いい?お互いに見ちゃダメね!この中から好きな鳥を選んで、別々に描こう!後で見せっこするよ!」
って言って紙と鉛筆を貸してくれた。

みーちゃん、一生懸命描いてた。
鳥を良く見て、追いかけて、30分くらい・・?
一言もしゃべらずに、その1羽を描いてた。
私はと言うと、なんとなく鉛筆が進まないまま、
いつも動物園でやってたように、まず何羽かクロッキーして、最後にクジャクを大きく描いた。

車に戻っていよいよ見せっこ。
みーちゃんの絵は、私の簡単な線と違って、緊張感のある線で細かく描かれてた。
鳥の目の周りのぷつぷつ、羽先っぽ、足の付け根・・
描き上げた紙を手に、「見て!!」と言わんばかりのキラキラした目で私のコメントを待ってた。
と、思いきや「みーちゃんすごいよ!この目のとことか・・羽もこうなってたよね~・・」と私の長い感想には
とっとと飽きて満足そうに鉛筆をしまって、おやつを取り出した。

そんなみーちゃんを見てて、本当に楽しかったし、なんだかすっきりした。



おまけにその日、
あおいちゃんからこんなメールが来た。

「のんちゃんの絵は宇宙だ。
ばらばらの絵は、宇宙に散りばめられた星。
それを一個にまとめようなんて、しなくていいよ。
そのまんまでいい。
全部、のんちゃんの中で輝いてる 大切な絵・星なんだよ。」

大滝さんに「ばらばらの別人だ」と言われたその日、あおいちゃんに打ち明けたら
「のんちゃん、のんちゃんはいつも宇宙の話をするけど、のんちゃんが宇宙だよ。」
って言ってた。

また、あおいちゃんが助けてくれた。
あおいちゃんは昔からいつも、ここって時にチョロンとあらわれるヒーローみたいな子。
私、宇宙に例えるほど広くて深くない。
けど、あおいちゃんがそう言ってくれたら、心がすっぽり何かに収まった。




自宅に戻って数日。
気持ちは納得いってるのに、それでも臆病になっている私に、
何通かメールが届いてた。
個展に足を運んでくださった(また行く予定だと連絡をくださった)、
過去に出会った父兄の方々からだった(;_:)
応援の言葉に、泣いて泣いて、ひとつひとつ返事をした。

どうにも踏み出せずに居る所に、とどめのように優しい言葉たちだった。


更に、なんと個展を見てくれたお客様から作品購入希望の連絡が来た。
初めて私の絵を見て、気に入ってくださった上に
これからいくつか揃えていきたいという事だった。


(;O;)



勿論、いてもたっても居られなくて、絵を描いた。


黙々と進めた。

本当に楽しくてワクワクして、ありのままの絵具を出した。
手が止まらなくて、
絵具を出す時間だってもったいなくて、もう、全ての作品を手と指で仕上げた。






早速大滝さんに見せたら
初めて大きく頷いてくれた。


その時大滝さんがこう言ったんだ。

「アーティストとは、人の心を満たす人の事を言うんだよ。」

「のぞみさんの多様性は素晴らしいけど、そしたら次は社会性を持って表現しなければいけない。
そのために 自分の世界をしっかりと守ってほしい。」



そう、かっこつけでもその場しのぎでもダメだし、
多様性を履き違えて、なんでもかんでも「○○風に」なんていう描き方は持ってのほか。

勿論誰の真似事でもなく
自分じゃなくちゃいけないし、
それも自分よがりではなく、誰かのためでありたい。


以前私自身もそう言いながらこの世界に踏み込んだのに、
いつのまにか心の根っこがゆらゆら揺れてた。

去年幼稚園を辞めて、悶悶とした気持ちを繰り返して、我武者羅過ぎて・・
開拓してるつもりでいたのに、気づいたらどこかに潜り込んでたみたいだよ。


なんのために描くって
自己表現する中で誰かの役に立ちたいんだよ。
誰かのためにできる事、いっぱいあるかも知れないけど、
不器用な私には絵しかないんだから。



大滝さんはいつも
「今は心の時代」だって言う。
もう、絵画界では
「才能を見てくれ・認めてくれ・有名になりたいんだ…そんな時代はとっくに終わってる」って。
「人の心を満たす人がアーティストなんだ」って。


文明や文化が進む一方で
皆、心のどこかに違和感を感じて、孤独感を感じてる。
その心の時代に生きている私も、まさにそんな思いに苛まれる事がある。

でも、だから描きたいし、すごく分かるから描く。


自分の感情、伝えたい想いをしっかりと詰め込んで、
心の底からで出る、ありったけのパワーで描く。




・・気持ちがまっすぐ向き直したタイミングで、
サノユカシさんの個展や白砂さんのグループ展等々でいくつかのギャラリーに足を運んだ。

一緒に行った友だち(ゆかちゃん)が、私がオーナーさんと話すたびに、
私の作品をオーナーさんに見せてくれて、お陰でまたいくつか今後の予定が決まった。

自分ひとりだったら、自分の作品を見せるまでの自信を持てなかったけど、
ここでもやっぱりゆかちゃんに助けられながら、また新しいドアの前に立つ事が出来た。




偉大なアーティスト大滝さんも含め、
周りを見渡せば、応援してくれる人ばかりで、
私はなんて幸せものなんだろうと、本当に、感謝してもしきれない・・(:_;)


だから私は歩みを止めずに進みたい。





実はこの3カ月の個展を終えたら、
週3の保育園の仕事も辞めて、いよいよ画家として活動を改める予定で居ます。

私にとってとても貴重で大きな3か月だから、
展示の残りの日々も、色んな気持ちと向き合いながら、
大滝さんやお客様から沢山の事を学びたいと思います。




今の私の、そのままの展示ですが、良かったら見に来てください。



画像は2月の展示予定の絵(20号)です。
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by macaron-framboise | 2013-01-23 18:19 | potsu Life